愛に恋

    読んだり・見たり・聴いたり!

夏物語  川上未映子

本書は652頁もある大長編で、やたらと心理描写や情景描写が長い。私にしてはやや読みづらいものだった。著者は2008年、『乳と卵』で第138回芥川賞の受賞者で、それを読んだ時にはあまり印象に残らなかった作家だったが、これだけ長いと作家の気持ちに寄り添…

ケイティ・ペリー Part.7 

2015 2012) 2019 2009 (2010) (2010) 2009 2010 ケイティさん、やっとアナタみたいな人を見つけました。 アナタみたいな人が理想だったんですよ。 スタイルといい顔といい、もうまさしく私の好みなんですよ。 アナタと歩き、アナタのレストランに行き、アナ…

ヒエロニムス・ボス  1450年頃 - 1516年8月9日 

ヒエロニムス・ボス 《十字架を担うキリスト》(1485-1490年)ヘント美術館 《ピラトの前のキリスト》(1516年頃)プリンストン大学美術館 《十字架の道行》(1495-1505年頃) エル・エスコリアル修道院 《荒野の洗礼者聖ヨハネ》(1490-1495年頃) ラサロ・…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。「お染風」

『半七捕り物長』の作者、岡本綺堂が若い頃の東京は、まだ江戸の情緒が残っていた。インフルエンザが猛威を振るった明治23年から翌年にかけて、江戸時代に流行った「お染風」の呼び方が復活する。歌舞伎や浄瑠璃の演目「お染久松」で、お染が久松に惚れる場…

大名倒産 (下)浅田次郎

相対的に面白い設定で尚且つ読み応えのある内容だったが、個人的には全編シリアスな話でも良かったようにも思う。「新田の開拓」「産業の奨励」「節倹の徹底」など、苦労した末の返済にして欲しかった。七福神や福の神、貧乏神といった非現実な神々の出演は…

ナタリー・ウッド Part.8 

1969 ナタリーさん、アナタ、年々色っぽくなってきてますね。 いい女は、中年になるほど良くなるんですよ。 だんだん惚れてきましたよ、アナタの大きな目もぞくっときます。 そういう目で私を見つめてください。

滝平二郎 part.35 

貰い菊 薪わり 秋深し 黄落 たき火 牡丹雪 寒い朝 迷い草 冬支度 仏作って魂入れず

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 映画はアリスから始まった

大きなキャベツから赤ちゃんが生まれる「キャベツ畑の妖精」郵便局で切手を何十枚もなめた女性が、キスした相手と口がくっていてしまう「べとつく女」120年ほど前に撮られたこれらの短編映画は、いま見ても面白いらしい。発想が斬新でユーモアと風刺が利いて…

大名倒産 (上)浅田次郎

浅田次郎という人はとにかく博学だ。 まるで江戸時代の人が書いているようで、時代考証、武家言葉など小説の名手といっていい。この人は現代劇、時代劇と両刀使いで、とにかくよく調べている。 架空の藩である三万石の御領国・丹生山を継いだ四男の小四郎は…

ジャクリーン・ビセット Part.7 

1967年 ジャクリーンさん、ジャクリーンってば、ちょっと待って、お願いだから私の話を聞いてくださいよ。本当なんです、アナタが全てなんですよ。嘘じゃありません。アナタのことを心底愛しているんです。神に誓ってアナタこそ命なんです。もう、アナタなし…

滝平二郎 part.34 

銀杏 秋灯 弘法にも筆の誤り 隣の花は赤い 冬がくる ひと休み 葦の原 小菊 晩酌 山は雪

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 田村俊子の『絵島生島』

「こういう饐(すえ)臭いどろどろの情火をエロティックな筆で描きあげたこの一篇は、全体に無気力な退廃な気がただよっている。メタンガスがぷくぷく浮く真黒な堀川の水に、漂い流されていく古下駄のようなみじめな女の生活が、突っ放して書かれているのに…

キム・ノヴァク part.8 

1961 1957 キムさん、いつもお綺麗ですね。私は以前、アナタに一目惚れしたんですよ。 これは本当の話です、信じてください。 女っぽくセクシーなところが大好きです。 プラチナブロンドのショートカットが本当に似合いますね。 一度、デートしてもらえませ…

ジョージ・フレデリック・ワッツ Part.5 

《枢機卿マニング》(1882年) ロンドン・ナショナル・ポートレート・ギャラリー 《祈願》(1887年) マンチェスター市立美術館 《星をまく》 《あまねく満たす者》 《毎日雨が降っていた》 《持たざる者》 《かのごとく栄光は過ぎ去りぬ》 《選択》 《死の…

「ムーンライト・セレナーデ」 反対なし。自由なし。選択肢なし

【ベルリン時事】「ウラジーミル・プーチン(ロシア大統領)の地滑り的な勝利を祝福したい」。 欧州連合(EU)のミシェル大統領は15日、同日投票が始まったロシア大統領選について、X(旧ツイッター)に投稿し、早くも「祝意」を表明した。開票は17日だが、…

蹴りたい背中 綿矢りさ

現在の私が20歳前後の青少年だったら、これを読んでどう思っただろうか。にしては、あまりにも時の経過があり過ぎて、当時の感性を取り戻すには遅すぎる。ただ、19歳だった私なら、作家としての野望もなく遥かに遠い存在に思えたかもしれない小説家。読むに…

シドニー・スウィーニー Part.8 

シドニーさん、もう私にとってはアナタしかいないんです。 信じて下さい、アナタなくして私はありません。 これが正真正銘の私の心です。 とにかく一度会ってコメダで私の話を聞いてください。

妄想仏像見学会 part.18

『妄想仏像見学会百七十一回』は【京都・東寺/女神坐像(平安初期)】です。 『妄想仏像見学会百七十二回』は【広島・文栽寺/十一面観音立像(平安)】です。像高147cm。 『妄想仏像見学会百七十三回』は【京都・清凉寺/釈迦如来立像・像内納入品(宋)】です。像…

「大谷選手と彼の妻が韓国に向かう前の写真」

ついに出ました。大リーグ、ドジャースが球団の公式SNSで、大谷翔平選手が開幕シリーズが行われる韓国へ向かう航空機の前で女性と一緒に撮影した写真を投稿し「大谷選手と彼の妻が韓国に向かう前の写真だ」と紹介しました。バスケットボールの選手だったとか…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。 亀戸事件

「ならし野に送り保護する事なれり」という記事は、気になる。千葉県内で軍隊がおこなった朝鮮人虐殺のほとんどが習志野聯隊によるもので、平沢計七ら社会主義者を殺害したのも同聯隊であったからである。9月2日の真夜中から5日にかけて、習志野周辺で朝鮮人…

無意識過剰 阿川佐和子

檀ふみと阿川は共に父親が作家にして、娘二人は同学年で親友。違うのは身長で壇は170㎝もあるが、阿川は150㎝もない。ある日、二人で旅をした時の事、道中暇だからクイズをしないかと壇が持ちかけた。教養高い壇に、無教養がバレるから一旦は断ったのだが「…

スター集合写真 

Steve McQueen, Paul Newman, Barbra Streisand and Sidney Potier Katharine Hepburn, James Stewart and Cary Grant Clark Gable, Cary Grant, Bob Hope, and David Niven 1958 Cary Grant, Ingrid Bergman and director Alfred Hitchcock Demi Moore, Dre…

「ムーンライト・セレナーデ」のお時間です。『ウルビーノのヴィーナス』

マネはティッツァーノの『ウルビーノのヴィーナス』からあえてヴィーナスの象徴を取り除き、パリの娼婦を描き、それが観衆の逆鱗に触れた。なぜマネはこのような絵を描いたのか。それは、パリの闇の姿を描き出そうとしたからだと考えられている。当時のパリ…

ある行旅死亡人の物語 武田 惇志 (著), 伊藤 亜衣 (著)

著者が見つけた、たった数行の死亡記事、警察も探偵もたどり着けなかった真実へ。「名もなき人」の半生を追った、記者たちの執念のルポルタージュだが、これがなかなかミステリー仕立てで面白そうなので買ってみた。2020年4月、兵庫県尼崎市のとあるアパー…

テイラー・スウィフト Part.6 

2013 テイラーさん、聞きましたよ、アナタは大統領選挙に絶大な影響力があると。私の好みにも絶大な影響力を発揮しています。 もう、目が点になるぐらいアナタに夢中になりました。 アナタがバイデンと言えバイデン、トランプと言えば七並べ、いや、トランプ…

滝平二郎 part.33 

汽車 夕焼小焼 山椒は小粒でもぴりりと辛い 日暮れ 天高く馬肥ゆ くりひろい リンゴの歌 読む 宝のもちぐされ 柿

「ムーンライト・セレナーデ」 御法度の裏街道を歩く渡世なんだ

「俺たちやくざは、御法度の裏街道を歩く渡世なんだ。いわば天下の嫌われもんだ。それだけにな、何事も渡世の筋道を通さなくちゃいけないんだ」と座頭市も言っている。しかしどうだ、座頭市さえ筋道を通して裏街道を歩いているのに、表街道を堂々と歩く身の…

共同研究 パル判決書 (下)

1941年10月、国家としての日本の存在自体が深刻な危機にさらされていた時、多少とも要職にあった政治家や外交官は、挙げて国家の名誉を傷つけずに滅亡から免れる方法を見出すのに頭を悩ませていた。彼らは重責を担い、そして勇断を持って差し迫った危険に対…

シェリル・ラッド part.2 

シェーンなどで知られるアラン・ラッドの息子、デイビッド・ラッドは元夫なんですね、だからラッドだったんですか。知らなかったです。併しまたどうして『チャーリーズ・エンジェル』でシーズン2を下りちゃったんですか、毎回楽しみに観ていたのに。 今どう…

ジャン=バティスト=カミーユ・コロー Part.6 

《海辺のバッカンテ》(1860-1865年) メトロポリタン美術館 《フィレンツェのボーボリ庭園》(1835-1840年) ルーヴル美術館 《黄泉の国からエウリュディケーを連れ出すオルフェウス》(1861)ヒューストン美術館 《ヴェネツィアの朝》(1834年) プーシキン…